上達が気まぐれに感じる理由と、変化の振り返り方
強くなったと感じる週もあれば、何も登れないように感じる週もあります。練習し、通い続けているのに、上達は偶然のようです。
なぜ上達したのか、なぜしなかったのか。聞かれたら具体的に説明できるでしょうか。
上達についての三つの錯覚
取り組むことと、上達することは同じではありません。
トライが多いほど良いとは限らない
同じ動きを20回試すと充実感があります。しかし同じ問題を繰り返しているだけなら、回数だけでは学びを説明できません。試行の質も見る必要があります。
疲れたから有意義だったとは限らない
限界に近い意味のある挑戦で疲れたのか、慣れた簡単な課題を繰り返したのか。疲労だけでは区別できません。
「あと少し」が積み重なっているとは限らない
核心を止めかけると進歩を感じます。ただ、何週間も同じ所に止まっていれば、気付いていない停滞かもしれません。努力を理解するには比較の基準が必要です。
変化がランダムに見える理由
実際の調子にも波はありますが、記憶や受け止め方が不確実さを大きくすることもあります。
細部の記憶は薄れる
印象的な完登やフォールは覚えていても、回数、難しかった点、その日の条件は忘れがちです。翌日には背景が抜けてしまいます。
残していないものは比べにくい
今週は先週より良かったでしょうか。感覚だけでは、量と強度の違いや、避けるスタイル、繰り返すスタイルを分けにくくなります。
- 先週と今週
- 登った量と難しさ
- 避けるスタイルと繰り返すスタイル
傾向を見るには蓄積が必要
一回だけでは長期的な変化を判断しにくいものです。条件の近い複数の記録から傾向が見えてきますが、何回あれば必ず分かるという保証はありません。
見えないパターンが選択を繰り返させる
- 慣れたものを選ぶ:すでに得意なスタイルへ向かう。
- 難しく感じるものを避ける:苦手による不快感を避ける。
- 役立つ練習を見誤る:狙いを定めた練習が必要でも、量を増やせばよいと思う。
足りないのは意欲ではなく、自分の行動を振り返る手掛かりかもしれません。
計画を変える前に、今を見えるようにする
すぐに新しい計画を作ったり日数を増やしたりする前に、四つの小さな記録を試せます。
完登だけでなく、試したことを残す
成功は嬉しいものですが、未完登のトライにも学びがあります。成功だけのログでは多くの過程が見えません。
量と難度を分ける
V2を20本登るのと、V5を5回試すのは異なるセッションです。どちらも疲れても、グレードを残すと違いが分かります。
スタイルと苦手に気付く
前傾ばかり登り、スラブを避けていませんか。「カチ」「スローパー」「ルーフ」などのタグを一貫して使うと、習慣を見返せます。
その日の気分ではなく、近いセッションを比べる
今日は悪く感じても、先週の同じジム・近い壁の記録と比べると、必ずしも後退ではないかもしれません。背景は結論を変えます。
記録を始めたら観察したいこと
記録は完璧な自己管理のためではなく、曖昧だった変化を考えるためのものです。
- 比較の基準:「良い」「悪い」を具体的な内容にする。
- 疲労への気付き:自分の感覚とともに休息前後の結果を振り返る。回復状態を診断する機能ではありません。
- 停滞の具体化:どのグレードやスタイルで止まっているかを見る。
- プロジェクトの過程:複数セッションのトライと、その後の完登を同じ履歴で見る。
ClimbingNote+は代わりにトレーニングするものではなく、入力した記録を振り返るための道具です。
変化を、感覚だけで終わらせない
完璧なログではなく、上達と停滞を理解するための十分な手掛かりを目指します。記録だけで強くなる保証はなく、観察も練習や休息の代わりにはなりません。
記録を始めるには
完登率や苦手を見たいならインサイトのガイドへ。ジムが中心なら室内記録ガイド、外岩も登るなら外岩記録ガイドから始めてください。